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おしらせ

模様染めについて③ 手描友禅

皆様 こんにちは
模様染め 友禅シリーズ第三回は手描友禅についてアップしてみます。

③手描友禅
㈠本友禅
本友禅とも筒描き友禅とも言われる本来の友禅染めで、数多くの工程を経て完成されるものです。各工程は長い伝統によって、ほぼ分業化されており、それぞれが最高の技術を組み合わせて友禅染を創り上げます。

a.本友禅の工程

工程については以下のようになります。

・絵羽縫い

墨打ちの後、絵羽づけに下絵するために生地を裁断し仮仕立にします。絵羽づけは衽や脇、背や袖つけ等の縫い目にまたがるように模様を付けます。

絵羽づけにならないものは絵羽縫いの必要はありません。

・下絵

絵羽縫いした生地に露草の花汁からとった青花液で下絵を描きます。

下絵の段階で完成品の感覚や後の加工工程の難易度までも知悉している必要があります。

※紋糊置

紋付の模様染めの場合は、後で紋上絵としてかき紋を入れるので、地染めまでに紋糊を置いておきます。

紋糊用の糊としては、粘着性が必要なために、もち糊が用いられますがゴム糊が用いられる場合もございます。

・糊置き

糸目糊置きは糸のように細い糊を下絵の線に沿って生地に置いていく作業となります。この糸目は後の挿友禅で模様に染液を挿す時の防染の役目をはたしますが、それが終わると水洗で洗い落され、その跡は糸目として白く浮き上がり友禅染独自の糸目の美しさを表現し、白の線が配色をより引き立たせる効果がございます。

作業としては絵羽になっている下絵の描けたものを解き、合口の中の模様を書き足します。次に伸子をかけ生地を平均に張ります。糸目を引くには糊筒に容器からあらかじめ板の上に出している糸目糊を絞り出していきます。糸目糊置が出来上がると乾くのを待って、糊糸目の場合は霧吹きで水をかけ、糊を生地に密着させます。青花が濃い場合には裏側から水を吹き、タオル等でふき取ります。ゴム糸目の場合は、糸目が引き終われば生地の裏側から霧吹きで揮発油を吹きかけ糸目を密着させその後青花を散らすために水に浸けます。

・伏せ糊置き

伏せ糊置きは模様部分に地色が入らないように糊で模様を伏せる工程となります。ゴム糸目の場合は続いて伏せますが、糊糸目の場合は地入れをして色挿しをして蒸しをした後に伏せを行います。

材料は糯米粉に米ぬかや食塩を混ぜたものです。作業は糸目の淵くぐりを行い順次内側を塗りつぶしていきます。伏せが終わって空気の泡が出来ていれば伸子の先でつぶすか、手箒のようなもので泡消しをして、ひき粉を糊の上全体にかけます。ひき粉をかけることにより糊の乾燥を早めると共に、後工程の地入れや地染めの時に刷毛から糊を守る役目もあります。その後、半分程度糊が乾燥するまで必ず生地を水平に保っておき、糊の厚みを一定にしなければいけません。

蒔糊は白附糊を竹の皮の内側に薄く延ばして十分に乾燥させ、これを細かく砕いて糊の破片を作り、ふるいにかけて大小を分け、目的に応じて使用します。蒔糊を置く際には、伸子で張られた生地の部分に水を引き、その上に蒔糊を撒いていきます。そのまま乾燥させると糊は生地に密着します。水分の多い時には裏からとろ火であぶり、水分が少なくなったときは蒸気をあてるようにすると糊が生地に付き易くなります。

白附糊とは白上げの部分に描絵を描く時などに行う伏せ糊置のことです。

・引染め

生地を端縫いして反物上にし、表面を伸子で引っ張り、地染めをする。最も広い部分を染めるので、染めムラや変色、生地難が現われやすいので地入れが重要となります。また、染料の選択や乾燥方法の管理が難しいですが重要な工程です。

・蒸し、水元

蒸しは染料の固着、発色に必要な工程で通常90℃~103℃で20~60分間程度蒸気で蒸します。水元は生地に染着していない余分な染料や伏せ糊などを水元で洗い流す工程となります。

・挿し

「挿し友禅」や「友禅」といいます。糸目糊の内側に筆や刷毛で一つ一つ染料を挿しこんでいきます。最も重要な工程であり、優れた配色感覚が要求されます。

・水洗

ゴム糸目の場合、糸目糊を有機溶剤で溶かし落とします。一般的にはパークロルエチレンを使用します。

・彩色

蒸し、水元の後、張りゆのしをした生地の模様部分に人物の顔や目鼻を描き、また、人形を胡粉で埋めるなど筆、刷毛で補完仕上げをすることで仕上げとも呼ばれています。

次回は堰出し友禅や無線友禅について勉強したいと思います。

 

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