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仕上加工について②(ゆのし)

皆様こんにちは。久々の更新となります。
今回はゆのしについて取り上げたいと思います。

 

●ゆのしとは

「ゆのし」は織物に蒸気をあてて、生地の風合いを柔軟にするとともに、シワを伸ばしたり生地幅や長さを揃える織物仕上の作業工程となります。

 

 

織物は経糸と緯糸で構成されているので、その糸の収縮によって織物が変形してしまい、縮んだ場合には織物の風合いが固くなってしまうことがあります。

 

 

ゆのしは大枠では以下のようにそれぞれの目的によって行われます。

 

 

 

a.中のし
精練後、白生地問屋に入るまでに行われます。

 

 

 

b.下のし
染色加工する前に行います。手描友禅の場合では多くは仮絵羽仕立の前に行います。

 

 

 

c.上のし・仕上のし
染色加工後に、商品として出荷前に行います。

 

 

 

他にも金彩加工や刺繍をする前にもゆのしを行うこともあります。
また、製造工程ではございませんが、パールトーン加工をご依頼の際にもゆのしとセットでご依頼いただくケースが多いです。

 

 

 

仮絵羽のおきものに関しては一度解いて反物に戻してからゆのしを行います。このことを「解きゆのし」と言っています。

 

 

ゆのしの作業について
ゆのしの作業については大きく2種類に分かれます。

 

 

 

a.機械ゆのし
機械ゆのしは文字通りゆのし機で行うゆのしであり、テンターと呼ばれる幅出し機械に、生地端をつないで連続してゆのしができるようになっています。

生地を蒸気が出るドラムに通して伸縮を調整し、乾燥のドラムでセットします。
一分間に2反~4反の処理を行うことができます。

 

 

 

 

 

 

b.手ゆのし
手ゆのしは、テンターにかからない規格外の生地をゆのしする時や、絞りや刺繍のようにテンターに通すことによって加工特性が損なわれることが予想される商品のゆのしの場合などに行います。

手ゆのしをする装置は、車輪が付いた箱の中に熱源があり、その上に銅製の釜が載っています。

熱源は現在は都市ガスが多いですが、昔は炭火や練炭を使用していました。
銅製の釜の中に水を入れ、その蒸気を使用してゆのしをするのですが、熱源で釜が熱せられ、さかんに蒸気がでてくればゆのしを行えます。

普通の生地の場合は生地の裏側を外側に出すように端縫いをして、枠場のタイコにセットします。そしてもう一方をゆのし棒と呼ばれる棒に通して左右の手にもって蒸気にあて生地の端まで蒸気があたるように左右に棒を振りながら幅を揃えます。

生地の送り方で幅出しも収縮も可能となります。

 

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