染色の種類 絞り染・中形
皆様こんにちは
今回は染色の種類ラストとなります。「天保の改革」で木綿藍一色が江戸町人に広がったんですね。
1. 絞り染
古くは正倉院御物などにその技法はみられます。室町時代絞り染、型染を併用した「辻が花染」が生まれ、以後友禅染の中にその手法が入れられ慶長模様・寛文模様等に鹿の子絞りの高度な技法が駆使されています。
現代の絞りを技法的に分類しますと・・・
- 摘み絞り(つまみしぼり)
鹿の子絞り・匹田絞り・三浦絞り・くも絞り 等 - 縫じめ絞り
縫絞り・柳絞り 等 - 板じめ絞り
桶絞り - その他
箱絞り・嵐絞り(手筋絞り)
等があり、その手法としては100種におよぶと言われています。
2. 中形
本来小紋・大紋に対する中形文様ということで、素肌に着る木綿藍染の単衣のことです。現在では浴衣と中形が混同されていますが、本来浴衣とは異なるものとなります。
中形の歴史は江戸後期「天保の改革」で庶民に絹糸使用を禁じたため、真岡木綿による中形染が技術的に精巧になり、デザインも洗練されて藍一色が江戸町人の生活に広まったといわれています。
染めの技法から中形は次の四つに分けられます。
- 長板中形
江戸中形ともいいます。長板を用いた一般の捺染と同じ技法による本藍染となります。 - 折付注染中形(折付中形・手拭中形・注染中形・阪中)
中形2反分を手拭の長さ(1m位)に折りたたみながら形付をし、上部から染料を注いで染めあげます。 - 籠付中形
明治時代に開発された中形の型付法。 - プリント中形
型紙を用いない機械プリントによる中形で色使いの上から、地白中形・地染中形・細川染(濃淡二度染)・差分け(一部に地色と異なった色をいれたもの)などに分けられます。