梅雨時期 カビの活動が活発です!
みなさん
こんにちは
梅雨に突入し、毎日じめじめとした日が続いておりますね。
九州では水害の恐れがあるとニュースで報道されています。お気を付け下さい。
さて、過去にも何回か取り上げておりますが、表題にもあるように、人間の不快指数が高い時に活発になるヤツがおります・・・
そうです「カビ」です。
特にこの季節はむしむし感とじめじめ感が非常に高くなるので「カビ」にとっては天国のような環境だと思っていることでしょう。
かく言うHP管理人も先日着用直前に礼服にカビが生えているのに気づき、右往左往しました(結局くそ暑い中、冬用の礼服を着ていく羽目となりました・・・)
着物にカビ・・・
あまり考えたくないシチュエーションですが、気密性が高くなった昨今の住宅事情ではクリニック等行うとカビのお直しのご依頼も増加している状況です。
着物には全てに地糊が入っていて、その地糊が湿気で腐り、そこからカビが発生し時間の経過とともに生地の深部に浸透していってしまいますので生地の奥底まで到達してしまったら色が抜けたり、生地が弱くなったりしてお直しが困難となってしまいます。
・カビ発生第一期症状
白い斑点になって現れます。色の濃い物なら白く見えますが、色の薄いもののカビを発見するのは困難です。濃いものにカビが発生してしまった際には他の薄色の着物にもカビが発生している可能性もありますので、早期に確認が必要です。
・カビ発生第二期症状
カビが出はじめてから3年~5年位経過したもので、カビ臭い匂いが発生し、白かったカビが黄色に変色しはじめます。
ここまでいくとお直しは着物を解いて洗張りが必要となります。洗張りができない着物に関しては解いた上でドライクリーニングとしみ抜きで対応します。
しみ抜きの際、濡らす事が出来ない部分を避けて、その他の部分はできるだけ広範囲に水洗いをする必要があります。
・カビ発生第三期症状
カビがではじめてから10年以上経過したもので、カビ臭は消えますが、カビ自体は茶色く変色してしまいます。黒留の黒色部は茶色の斑点となってしまいます。この変色の除去には硬貨程度の範囲に区切り、複数回漂白作業が必要となることから全体に出現したカビの漂白は困難となります。
・カビ発生第四期症状
第四期症状ともなるとカビ発生から20年以上経過したもので、カビ自体も茶色からこげ茶色に変色しています。こうなると生地も弱まってしまうので漂白や染め替えにも耐えられない可能性があります。
カビが生えてしまった着物の直し方
一番いい対処方法は、着物を解いて水洗い(洗張り)を行う事ですが、洗張り代、仕立直し代と費用がかかるため、クリーニング(カビ取り)での対処が主流となっています。
まず、よく乾燥をさせ、カビ取り専門のクリーニング(石油系の溶剤)を行います。残ったカビの跡(色抜け・変色)は染色補正と共に染替え等で対処します。
ご注意としては一度カビが発生したお着物は、環境がそのままの場合再度カビが発生する恐れがございますので、保管場所の環境を改善されることをお薦めいたします(カビが生えた着物を入れていたタトウ紙は必ず入れ替える。他の着物と別に保管して定期的な確認と空気の入れ替えを行い、除湿剤・シリカゲル・和服の友 などが効果的です。
パールトーン加工は保管中のカビ防止にも高い効果を発揮します。
試験の結果、パールトーン加工のカビ発育状態は0であることも証明されています。
ただ、パールトーン加工済みの着物でも湿度・温度・養分・酸素 の条件が揃えばカビは発生しますのでやはり高温多湿な場所での保管は避けたり、しまいっぱなしではなく着て外の風にふれることが大事なんだと思います。