着物の加工について③ 紋について
みなさんこんにちは
加工に関する内容 第三回は紋についてです。パールトーンHP管理人が入社してすぐに悉皆について研修を受けたのですが、その際のノートが出てきましたのでその内容を中心に記載してみたいと思います。(基礎的で浅い内容になりますm(__)m)
まず、紋の種類です!
①入紋
黒留袖や喪服の石持(こくもち 白く染め抜いた部分)に家紋の上絵書きをします。手や機械で入れた後、周りの箇所と色を合わせます。周りが茶色っぽい場合は手で入れます。
②抜き紋
訪問着・色留袖・附下・色無地 等において紋の形に抜染してそこに家紋を入れます。最近では金属が含んだ染料で染められているケースも多く、なかなか抜けなかったり、抜いてからも色が変化するケースもあるので注意が必要です。
ヤケにくい染料で染められた着物は抜けにくいケースも多いです。
では数はいくつ入れればいいのでしょうか?
抜き紋1つ
色無地・色留袖・訪問着・附下 等
※当時のノートにはなぜかは解りませんが、訪問着・附下はできれば縫い紋をお薦めした方がbetterとメモ書きがあります(^^) またこの2つはまず抜き紋3つはありません。
抜き紋3つ
色無地(昔ブームがあったようです) 色留袖 等
抜き紋5つ
色留袖比翼仕立等
色留袖については縫い紋は略式となるので抜き紋の方がいいようですね。
③縫い紋
紋入れ部分が抜染できなかったり、おしゃれ等で刺繍技術で家紋をいれます。
縫い紋の種類については
ケシ縫い:ケシ粒のように縫って、紋は入れているけれどわからないような紋
マツイ縫い:紋の形にマツイ縫いする方法
スガ縫い:布目にそって糸をわたします
サガラ縫い:刺繍のようにイボイボがある縫い方です
等があり、
色は白、地色共色、金、銀等があり、金銀はサガラ縫いにはあまり使われないようです。
④すりこみ紋
紋の型紙を使用して、染色で紋をすりこんで入れます。
⑤粧平紋
化粧と同じように生地上に胡粉で紋を入れます。
※胡粉(ごふん) 貝殻から作られる白色の顔料
※最近のすりこみ紋や粧平紋は昔のものと比べやわらかくなっております。
⑥貼り付け紋
既に家紋が入っている生地を既存の紋の上に貼り付けます。
レンタル商品で使用されるケースが多いです。
紋の外側の丸について
丸ですが、男物羽二重や初着 風呂敷・帛紗、お盆等には丸を入れるのが普通のようです。
種類も糸輪・細輪・中輪・丸 等があり、九州、四国(高知)、関東、東北の地域はかなりのケースで「丸」らしいです。
この記事のために改めて当時のノートを見返したのですが、本当に基礎中の基礎の内容で恐縮です。
紋入れの場合はかなり地方により差があることも多いようですので、今回の内容に当てはまらないことも多いかもしれませんが、お許しくださいm(__)m