カビの種類と特性 ① カビの発生原因 温度・湿度・養分とその解消法
きものには全てに地糊が入っていて、その地糊が湿気で腐り、そこからカビが発生し、そのままの状態で長年風通しを怠りますとカビが出て、第一期症状~第四期症状に進行していきます。
カビは着物に入っている地糊によっても異なり、全ての着物にカビが発生するというわけではございませんが、1枚でもカビが発生した着物を発見した場合、ほかの着物もカビが発生していることが考えられますので、保管場所の変更や、こまめな風通しのような配慮が必要となります。
カビが発生しやすい条件は湿気の多い所や風通しの悪い所、温度が高い所です。購入して一度も手を通していない着物やクリーニングしたから大丈夫と、大切にしまいこんだまま長年風通しをしていなかったり、住宅密集地で窓が開けられないお宅やコンクリート造りの新しいマンション等は注意が必要です。
また、昨今の建物の造りや冷暖房装置の普及にも大きな原因となる要素が考えられます。
昔の建物は床が高く、線の下は風が吹き抜けていて部屋の中でも冬期に寝ていると顔が冷たくて寝られないくらいでしたが、最近の建物は気密性が高く冷暖房効率を高める構造で、一年を通してカビが繁殖しやすい環境にあります。
解消法としては保管場所を変える必要や、保管している高さを考える必要があります。座って顔の高さから立って顔の高さがまでが理想です。同じ部屋でも高い所と低い所では温度が異なります。
低い所は湿気が多く、高い所は温度が高いものです。
タンスへの詰め込み過ぎにも注意が必要です。和箪笥の着物を保管する部分にヒントを得てください。まずとびらが観音開きになっていて、引き出しは箱にはなっておりません。これは風通しをよくするためです。一段に一枚を置き、扉を開ける度に自然に風が通る仕組みです。そこに何枚も詰め込んでは何にもなりません。
次回はカビの進行の症状を記載します!