染色の種類 ②型紙捺染
皆様こんにちは
前回は手描友禅でしたが、今回は型紙捺染となります。京都でも昔はよく型紙が置いてあるのを見かけたのですが最近はそのような光景も少なくなってきたような気がします。
1. 型紙捺染
a. 写し友禅
型紙を用い、染料を混入した色糊で友禅模様を配置する染色法であり、明治の初期に広瀬治助によって発明されたものです。
型紙枚数を多く使うことで複雑な模様表現ができます。
振袖では300枚~500枚程の型紙が使われているものもあります。
b. 摺り友禅(すりゆうぜん)
写し友禅の色糊の代りに摺り刷毛に染料液をわずかにつけて型紙の上から染料液を摺りこんで模様を染めつける。一つの模様に写し友禅技法と併用することもございます。
色を摺り重ねると二つの色の合成色が得られ、また濃色ともなるので二つの型紙で三つの色が表現できます。
刷毛によるボカシ染が染めつけられるのも特長となります。
c. 小紋染
小紋は大紋、中形に対する呼称で、細かい模様を布地一杯に型染めされたもので種類も多いです。最近では絵羽模様に対して区別をつけるため総柄の染着尺をすべて小紋の範囲にいれているようです。
- 江戸小紋
細かい柄を彫った型紙を使って一色染にしたもの。元来江戸時代の武士の裃から発達したといわれていますが、草花や幾何模様をはじめ、縞、格子など連続模様や割付模様が多いのが特徴です。 - 型小紋
現在一般に小紋といわれるものの総称で、江戸小紋を基調にしたものに型友禅の色彩を組み合わせたものとなります。 - その他の小紋
技法や柄行きなどによりローケツ小紋・紅型小紋・手挿し小紋・摺り染小紋・更紗小紋・藍染小紋などがあります。
d. 紅型
元来沖縄で生産される型染めで、強烈で多彩な色の美しさがあります。どんなに沢山の色を使っても型紙一枚で糊おき色ざしするのが特徴となります。
e. 更紗
インド更紗 ジャワ更紗 ペルシャ更紗 タイ更紗等異国情緒豊かな特徴があります。