おしらせ

2017/11/20

着物はっ水加工の歴史⑤(パールトーン加工)NEW

平安神宮時代祭衣裳、都おどり舞台衣装など、日本の伝統衣装にパールトーンが!

皆様 こんにちは パールトーンタイムスリップ第五弾は1962年です。

1962年(昭和37年)
絢爛豪華な時代絵巻 京都・時代祭の衣裳をはじめ日本の文化遺産にもパールトーンは活躍しています。

京都三大祭といえば、葵祭・祇園祭・時代祭。毎年秋に平安神宮で行われる時代祭は、平安時代の初めから明治に至る各時代の衣装や風俗を表現する華やかな行列が見ものです。目を見張るほどの美しさで、沿道は見物客で黒山の人だかりになります。
ところが困ったことに長距離の行列の為衣裳の傷みが激しく、雨でも降った場合には最悪の事態となります。実際、過去の葵祭ではお祭りの途中から雨が降り、その衣裳の色が落ちたりなど何百万もの損害を被ったという話もありました。また、これらの衣裳は普段平安神宮の蔵の中に眠っているのですが、その間にも湿気や虫など様々なトラブルに見舞われます。そこでパールトーンの出番となったわけです。
昭和37年、当時の平安神宮の宮司、小松照久さんから依頼を受けて時代祭の全ての衣裳に、また同年に京都では有名な都おどりの舞台衣裳にもパールトーン加工をしました。
すでに昭和16年徳川家のご宝物類に、昭和31年には柳川藩立花家秘蔵甲冑衣裳にパールトーン加工を施していましたが、この時代祭衣裳をきっかけにいろんな伝統衣裳のご依頼を受けるようになりました。
昭和38年には京都八坂神社神楽衣裳 昭和42年には京都御所の葵祭衣裳 昭和43年には横浜シルクセンター時代人形衣裳等々にパールトーン加工をしました。
その後も、篠田桃紅墨絵壁紙 人間国宝森口華弘作の綾傘鉾垂れ 東大寺仏布施台裂「水引」 広島三輪神社壁紙 浅草三社祭の役員衣裳 奈良シルクロード博の大綴織などなど・・・。
日本の伝統衣裳をはじめ、後世へ伝えたい日本を代表する数々の文化遺産にパールトーン加工をさせていただいております。
お祭りの時の急な雨降りや汚れから守ることはもちろん、保存の際にも効果を発揮するパールトーンは、きものだけでなく日本文化を伝えるという大きな役目を果たしていることに日本人として誇りを感じます。

※画像は昭和63年 奈良シルクロード博の際の大綴織となります。

2017/11/16

AERA に広告掲載させていただいております!

皆様
こんにちは

表題の通り、今回雑誌「AERA」のNO.51号に広告を掲載させていただきました。
この号はエリア特集の特大号ということで、「京都特集」が組まれており、閉鎖的なイメージを持たれる京都の人間とコミュニティのお話から、今話題となっている応仁の乱のお話もあり、読み応えのある内容となっております。

是非書店等で見かけられた際はお手に取っていただければ幸いです。

2017/11/15

お着物の組成がわからないときの裏ワザ

皆様 こんにちは
今回は繊維の組成等を知りたいがわからないというよう場合の裏ワザについてご紹介したいと思います。
私の個人的な事をお話すると、出先でお客様から長襦袢に関するしみ抜き等のご相談をされた際に、その長襦袢が、絹なのか化繊なのかわからないことがあり、困ったことがございました。(化繊の場合、しみ抜き剤で使用できないものもあるため)
その際にたまたまおられたしみ抜きの職人さんにアドバイスされ、裏部分から糸を少し取り、燃やしてみたところ毛髪のにおいがしたので絹とわかった事例がございました。
全てにおいて万全ではないかもしれませんが、一つの性質としてご紹介させていただきます。

以下は繊維の端部分等から、糸を数本取出してみて燃焼した際の各種繊維の特徴です。
それぞれ①炎に近づけるとき ②炎の中 ③炎から離れた時 ④臭 ⑤灰 の状態の性質となります。

※あくまでも燃焼時の性質ですので、ご自身で対応される際には十分ご注意の上、自己責任でお願い致します。

・綿
① 炎に触れると直ちに燃える
② 燃える
③ 燃焼を続け、非常に速やかに燃える。残照がある
④ 紙の燃えるにおい
⑤ 非常に小さく柔らかくて灰色

・麻(亜麻及びラミー)
綿と同様

・絹
① 縮れて炎から離れる
② 縮れて燃える
③ 羊毛に似ているが、ややひらめいて燃える
④ 毛髪の燃えるにおい
⑤ 黒くふくれあがり、もろく容易につぶれる

・羊毛
① 縮れて炎から離れる
② 縮れて燃える
③ 困難ながら燃焼を続け、燃えるに先立って縮れる
④ 毛髪の燃えるにおい
⑤ 黒くふくれあがり、もろく容易につぶれる

・レーヨン
① 炎に触れると直ちに燃える
② 燃える
③ 燃焼を続け、非常に速やかに燃える。残照はない
④ 紙の燃えるにおい
⑤ 光沢を抑えたダルレーヨンでなければ灰はほとんど残らない

・キュプラ
レーヨンと同様

・アセテート
① 溶解し炎から離れる
② 溶解して燃える
③ 溶解しながら燃焼を続ける
④ 酢酸臭
⑤ 黒く硬くてもろい不規則な形

・トリアセテート
アセテートと同様

・プロミックス
① 収縮しながら炎を上げて燃える
② 燃える
③ 燃焼を続ける
④ 毛髪の燃えるにおい
⑤ 黒色のややもろい灰

・ナイロン
① 炎に近づけると溶解する
② 溶解して燃える
③ 燃焼を続けない
④ アミド特有のにおい
⑤ 硬く焦茶色から灰色のビーズ

・ポリエステル
① 炎に近づけると溶解する
② 溶解して燃える
③ 燃焼を続ける
④ 非常に甘いにおい(弱い)
⑤ 硬く丸く黒色

・アクリル
① 炎に近づけると溶解して着火する
② 溶解して燃える
③ 速やかに燃える
④ 肉を焼いた時のにおいとやや似ている
⑤ 硬く黒く不揃い

・ポリウレタン
① 炎に近づけると溶解する
② 溶解して燃える
③ 燃焼を続けない
④ 特異臭
⑤ 粘着性を有するゴム状の塊


火の取り扱いには十分ご注意くださいね!

2017/11/13

着物はっ水加工の歴史④(パールトーン加工)

パールトーンという名称が会社の名前になりました!

皆様 こんにちは パールトーンタイムスリップ第四弾は1961年です。

1961年(昭和36年)
大切な衣裳に水がかかってもパールトーン加工がしてあると真珠のようにコロコロころがるから・・・
それがパールトーンの社名誕生の秘話です。

佐世保で産声をあげた國松商会は昭和33年(1958年)に東京パールトーンとして日本橋久松町に営業所を構え、三越、髙島屋、伊勢丹、東京市田、白木屋と老舗百貨店と次々にお取引を開始いたしました。
そして、昭和36年には現在の拠点、京都へ根を下ろします。これはとりわけきもののメッカは京都との認識がきもの業界内で強かったことや、しょうざん先代社長からの要請があったからです。社名を株式会社 京都パールトーンに変更し、いよいよ企業化へのスタートとなったわけです。京都市右京区梅津段町に工場を開き、営業の本拠を構えました。しょうざん、上田善、矢代仁、千總、千切屋 さんと室町、西陣の呉服問屋とのお取引がはじまり、パールトーンの技術は着実に全国に広がりを見せていきました。
ちなみに、パールトーンという社名の由来をここで述べておくと、昭和30年 西陣のつづれの小川英さんが撥水加工を施した繊維に水がかかって真珠のようにコロコロとはじけるのを見て、パールトーンと銘々したのがきっかけで、図らずも昭和35年6月11日の繊維組合新聞でもパールトーンを「真珠のような輝き」という見出しで紹介されています。
このころから、美容界の山野愛子先生をはじめ各界の先生方の信用も得られ、結果大きな宣伝効果を生んでいったようです。当時、山野愛子先生が発刊されていた「ビュウティ クラブ」(昭和35年4月号)でも先生自らのパールトーンへのメッセージが紹介されています。また、当時のパールトーンのパンフレットには、山野愛子先生をはじめ、大塚末子きもの学院院長さん、プロレスラーの力道山さん、映画俳優の水戸光子さん等々、著名人のパールトーンへのメッセージが紹介され、その技術への信頼が大きく広まっていきました。


2017/11/06

合成繊維の性質

皆様
こんにちは

今回は合成繊維の性質についてアップします!

合成繊維
合成繊維及びこれに類似するものについては「半合成繊維」と「合成繊維」との2つがある。これらに含まれる繊維の数は非常に多く、15種類にも達する。これらの繊維が動物性繊維と異なる点は吸湿性が少ないこと(繊維によっては吸湿性ゼロのものもある)、熱によって軟化したり、溶けたりする性質をもっていることである。
「半合成繊維」は植物性の原料に酢酸が結合したもので、いわば分子が半分合成された形をしているところからこの名前があり、アセテート・トリアセテートの2つがこれに含まれる。
「合成繊維」は繊維を形作る分子そのものを科学的に合成しているのでこの名前があり、13種類の繊維がこれに含まれている。
動物性繊維に様々な加工が施されて欠点をカバーしているように、合成繊維も改良・改質が行われ、防融加工や吸汗加工など多くの加工が施されている。

(1) アセテート・トリアセテート
アセテートもトリアセテートも共に美しい繊維で、外国でもビューティフル・ファイバー(美の繊維)といわれている。絹のような美しい艶と、しなやかさを持つこの2つの繊維の違いは、植物性の原料に結合している酢酸の分量が多いか少ないかだけである。しかがって性能は良く似ていて、比重は絹とほとんど変わらず、熱セットもできるが、摩擦や引っ張りに対してはあまり強くはない。また、アセトンや氷酢酸で溶解することも同じである。しかし、アセテートとトリアセテートの性能的な差の大きい箇所は、吸湿性と耐熱性である。トリアセテートの吸湿性はアセテートの約1/2 耐熱性はトリアセテートの方が30度~40度優れている。
アセテート・トリアセテート共その美しさから使用される分野は婦人物が中心となっているが、紳士物・寝具類にも使用されている。
アセテート・トリアセテートには美しい艶があるが、熱や蒸気によってこの美しい艶を失わせないようにしなければならない。また、熱で部分的に光らせたり溶かしたりしないようにしなければいけない。
しみ抜き時の溶剤あるいは酸を含んだ防水剤を使用するときには、これらの薬剤によっては繊維を溶かすものもあることも注意する、アセトン・酢酸アミル・シンナー・氷酢酸(15%以上)・クレゾール・クロロホルム等は使用してはいけない。また、アルコール・メタノール・アミルアルコール・酢酸プチルも安全であるとは言い切れない。
アセテートのベルベットは特に毛倒れを起こさないように注意して取り扱う必要がある。加熱された状態で毛倒れが発生した場合は、熱でセットされた状態となるため、その修正はほとんど不可能となってしまう。アセテートのベルベットだけには限らないが、ベルベットは水洗・しみ抜きは困難である。

(2) ポリエステル
ポリエステルは昭和33年春からわが国で生産されるようになった合成繊維で、ナイロン・ビニロン・アクリル 等より遅れて企業化された繊維である。しかしポリエステルは優れた性能のために急速に進展した。
ポリエステルはシワになりにくく、ひだが消えにくく、早く乾き、耐熱性も合成繊維の中では優れており、強さもナイロンとほとんど同じくらいに丈夫である。
また、ポリエステルは製造工程で原材料にある種の物質を添加することによって、多少性能に違いがあるものをつくることが可能である。このように物質を加えたポリエステルは、柔いのでウールタイプのポリエステルといわれ、染色性に優れているが、耐熱性はやや低下する。これに対し無添加のポリエステルは強度や耐熱性に優れ、繊維がやや硬いから綿タイプのポリエステルといわれている。同じポリエステルでも性能に差があるものがあることを認識しておかないとプレス時には思わぬ結果を招くことになりかねない。綿タイプかウールタイプかを見分けることは困難である。また、アルカリ減量加工によって硬いポリエステルも柔軟にすることができる。
ポリエステル繊維はドライクリーニングで汚染されやすい性質があるから、逆汚染させないように配慮する必要がある。特に白地あるいは淡色地のドレス、コート、和服類に注意しなければならない。これらの裏地にはたいてい同じ素材が使用されているものが多いから、むしろ水洗(低温)の方が安全であり、又最も適した洗い方といえる。
植物性繊維と混紡されたワイシャツなど、高温で水洗されるものは、洗濯中のシワを防止し逆汚染を防ぐ意味から70度以下で処理することが望ましい。こうすることによってポリエステルのくすみを防止することができる。

(3) ナイロン
ナイロンは第二次世界大戦時にアメリカで本格的生産に入った繊維であるが、わが国では戦後に登場した繊維である。ナイロンはそれまでの繊維よりはるかに強かったので戦後強くなったのは靴下であるという諺さえ、生み出した。その後多くの合成繊維がつくられるようになったが、今でもナイロンの強さは抜群であるといってよい。
ナイロンは摩擦や引っ張りに強いだけではなく、軽いことも特長の1つである。最近ではポリプロピレンのように水に浮くような軽い繊維がつくられるようになったため、ナイロンの軽さは少し影が薄れてきたような感じがするが、他の繊維と比べてみると非常に軽い繊維であることは変わりがない。このほか吸湿性が小さいこと、熱によって軟らかくなり遂には溶ける性質をもっていること、熱セットができること等の性質があるのはもちろんである。

(4) アクリル
ナイロンは絹に良く似ている合成繊維であるといわれているが、アクリルはもっともウールに良く似ている合成繊維である。その特長の第一は、柔らかいことにあり、ラムウール(仔羊のウール)にも匹敵する暖かな肌触りがアクリルの身上である。その上、優れたバルキー性と保湿性を備えており、アクリルカラーといわれる位に染色性も良い。そしてアクリルは特に直射日光に対しても強く比重もナイロンとほぼ同じくらいに軽い。
こうした特長を持っているから、メリヤス肌着、スポーツウェア、セーター、ニットスーツ、パイルソックス、手袋、マフラー、ハイパイルのショール等に用いられるほか、毛布、ふとん、カーテン、カーペット、クッション、椅子生地としても用いられている。また、アクリルは接着布用素材としても重要なものとなっている。
アクリルニット製品は、クリーニング処理によって伸びやすいので、注意しながら処理をする必要がある。しわのばしに蒸気を使用するときは慎重にし、仕上げ後まだ熱いうちにハンガーに吊るしたままで、長時間そのままにしておくなどは避けた方が安全である。収縮したものの修正は不可能ではないにしても、引っ張り過ぎれば今度は伸びすぎてどうにもならなくなってしまう。
アクリルも他の合成繊維と同じように、ドライクリーニングによる逆汚染を防止する必要がある。

(5) ポリウレタン
この繊維はスパンデックスと呼ばれることがあるが、普通一般の繊維と違い、ゴム糸のように自由に伸び縮みする性質を持った合成繊維である。染色することも可能であり、ゴム糸ではつくることができないようなごく細い糸を生産することが可能である。
このような性質を持っていることから、ファンデーション類(ブラジャー・パンティ・ガードルなど)や、靴下、メリヤス下着、水着、スポーツウェアなどの中にも使用されている。

(6) プロミックス
このプロミックスという繊維は、アクリル繊維の原料と、動物性蛋白質を結合させてつくった世界でも非常に珍しい繊維である。合成繊維というよりはむしろ半合成繊維であると言った方がいいかもしれない。昭和44年秋ごろから発売された繊維である。
プロミックスという名前は、蛋白質、つまりプロテインがミックスされているというところから命名されたものであるが、蛋白質(ここではミルクカゼイン)の混合割合は30~50%位である。プロミックスは絹のような美しい艶と、暖かみのある肌触りを持ち、染色性も良い。その上、動物性繊維より軽く吸湿性も少ないが、合成繊維中ではビニロンと並んでよく水を吸う方である。
プロミックスの用途は、マフラー、スカーフ、ネクタイ、和服等である。
クリーニング処理上は高温でいためたり、艶を消すことのないような注意が必要である。また水洗した場合の乾燥の仕方によっては異臭を発することがまれにあるが、再び洗濯し手早く乾燥すれば異臭は消える。合成繊維類は虫やカビに侵されないのが特長の一つであるが、このプロミックスはカビに侵され、虫にも注意を要するから、保存には注意が必要である。

2017/10/26

【成人の日】雪と振袖

【ハレの日である成人式ですがお天気は晴天であるとは限りません。】

皆様こんにちは 早いもので10月も終わりに近づき、今年も残すところ2カ月強となりました。来年の正月が明けますとまた今年も成人の日がやってきますね。

HP管理人にとって印象的だったのが、2013年1月14日の成人式で日本列島を大寒波が襲いました。
画像は東京都江戸川区の成人式の様子です。

この時に成人を迎えたお嬢様方はいったいどのような気持ちだったのでしょう。

一生に一度しかない20歳のお祝いの日に振袖を着て、華やかな気持ちになりたかったはずの成人式。
しかし着物を汚したくないという「心配」が喜びを半減させている現実がそこにありました。
成人の日後当社にしみ抜きご依頼の商品を見ておりますと

①パールトーン加工済みのお着物は衿のファンデーション汚れ・首筋や手首の汚れなど通常の着用汚れ程度でした。

②パールトーン未処理のお着物は裾の汚れや、泥はね、袖を地面に落としてしまった泥染み、表地のひどい収縮、八掛の色が裏に移っているなどかなり重傷のものがたくさんありました。


パールトーン加工済み、パールトーン未処理の2種類の着物を見て、改めてパールトーン加工の大切さを痛感しましたし、これを皆様に伝える必要があると感じました。

また、振袖の陰に隠れがちですが、帯や長襦袢へのパールトーン加工は大切です。帯に雪が積もっている状態を見ると、特に金銀糸・箔を使用している織物である帯など場合によっては直しきれないダメージを受けかねません。

振袖着装の機会は今後の着物ファンを増やすための入り口となりますので、ハレの日は安心して着物ライフを楽しんでいただきたい パールトーンはそう考えます。

2017/10/23

着物はっ水加工の歴史③(パールトーン加工)

東京白木屋百貨店にてパールトーンの加工説明会を行う!

皆様こんにちは。パールトーンタイムスリップ第三弾は1960年です。

1960年(昭和35年)
百貨店や呉服屋さんにてその加工技術を実演すると評判になる、口伝えにジワジワとその効力は広がっていきました。

昭和16年、徳川本家のご宝物類に、昭和31年には柳川藩立花家秘蔵の甲冑衣裳に加工をするなど名誉な仕事をさせていただきました。
また、昭和28年には博多岩田屋及び玉屋呉服部とお取引を開始し、九州各地区の高級呉服専門店とのお取引も順調に広がっていきました。さらに、昭和33年には東京へ進出し、商売としても少しずつ軌道に乗りはじめていきます。
商売気などみじんもなく、ひたむきに研究開発を進める國松勇は、加工の技術はもちろん周囲の人からも自然な形で信頼を得たようです。パールトーンの技術は新聞や口伝てにジワジワと広まっていきました。
昭和35年7月9日の毎日新聞は「シミのできない繊維加工」という見出しでパールトーン加工の説明をしていますが、動物性繊維には100%の効果、布地が傷まず熱にも強いという利点を紹介すると同時に、気になる点は値段が少々高い点もしっかり打ち出されています。同年12月10日読売新聞ではパールトーン加工の説明と料金表がきちんと記されています。今のような宣伝方法がなかった当時、國松勇は利用者を前に実際に実演しながら説明しました。効果とともにその限界も含め正直に伝えたのです。だからこそ、信用を積み重ねることができたに違いありません。
昭和35年、東京白木屋百貨店(後の東急百貨店)にて加工説明会を開き、集まったたくさんのお客様に、國松勇は自ら精力的に誠実に説明をしました。そしてパールトーンに共感した小売店さまでも積極的に実演会を開催いたしました。その告知は新聞記事やチラシ広告にも大きく表記されていることから、当時どれだけ画期的な加工であったのかを物語るようです。

2017/10/16

植物性繊維の性質

皆様 こんにちは 
今回は綿や麻等、植物性繊維の性質をアップします!

植物性繊維
植物性繊維には、天然繊維の麻と綿、化学繊維のレーヨン、ポリノジック、キュプラの合計5つがある。吸湿性に富み、染色も容易、アルカリにも耐え、高温の洗濯やプレスが可能である。しかし最近の植物性繊維には樹脂加工の施されているものがあり、高温洗濯や塩素系漂白剤によって黄変する場合がないとは言えない。綿、麻の天然繊維とレーヨン・ポリノジック・キュプラの化学繊維とは非常に類似した性質を持っている。しかし、この両者間の最も大きな相違点は、綿・麻は乾いている状態よりも湿った状態の方が強いのに対して、レーヨン・ポリノジック・キュプラはその反対に湿った状態の方が弱いことである。(湿った状態が乾いた状態より強い繊維は、綿と麻の2つだけでこのほかにはない)

(1) 麻
麻の種類は植物学的にみれば50種類以上にも達すると言われているが、現在衣料として用いられているのは亜麻(リネン)と苧麻(ラミー)の2種類である。しかしカーペットの基布には黄麻(ジュート)が使用されている。顕微鏡で見れば麻繊維の表面には、ところどころに節があることがわかる。

・リネン(亜麻):亜麻科の一年生草木で、引っ張り強さは天然繊維の中では最強で毛羽立ちが少なく、接触冷感があり、木綿に比べ熱の良導体である。夏期の高級和服地として越後上布、能登上布、薩摩上布などに用いられる。

・ラミー(苧麻):わが国では昔から、からむしと呼ばれ、絹のような光沢を持ち、極めて強く耐久性に富む、内地に産するラミーは従来手紡によって上布として夏期の和服地として着用されている。
・ジュート(黄麻):シナノキ科植物から得られるじん皮繊維で単繊維は比較的短く黄褐色を帯び、木綿や亜麻に比べ強度、耐久性に劣るが、光沢に冨み、外観が美しく、上等の細糸はカーテン・テーブル掛け・敷物などにも使用されている。

(2) 綿
綿と麻は良く似た性質を持っている。繊維の横断面は中空であり、比重は動物性繊維に比べてやや重く、吸湿性に冨み、乾燥状態より湿潤状態の方が強力が大である。また、木綿には天然のよじれがあり、水酸化ナトリウムの濃い液で処理するシルケット加工で繊維は丸く膨潤してふくれて、天然のよじれもなくなり、光沢が増し、染色性も良くなる。
綿は吸湿性に優れているが、摘んだばかりの綿花は水を吸わない。これは繊維の表面にろう質が含まれているためで、吸湿性を良くするためには表面のろう質を取り除かなくてはいけない。脱脂綿はもちろんこのろう質を除去して吸湿性を良くしたものである。
また、綿の優れた性質を上げれば、丈夫であること・肌触りの良いこと・染色性の良いこと・耐洗濯性が良いこと などがある。しかしこのような優れた性質と同時に、綿にも短所がある。それは綿が非常に縮みやすい性質と、シワになりやすい性質を持ち、洗濯を繰り返すことによって次第に硬くなっていく性質である。このため防縮加工(サンフォライズ加工)が施されたり、あるいは樹脂加工が施されたりして、これらの短所を補う工夫が行われている。

(3) レーヨン・ポリノジック・キュプラ
レーヨン・ポリニジック・キュプラの3つは植物性の化学繊維であり、このなかでもレーヨンとキュプラの歴史は古く戦前にまでさかのぼる。
日本で最初につくられた化学繊維はレーヨンで、大正4年山形県米沢市において誕生した。元々レーヨンは人工の絹をめざしてつくられたものであったから、当初は人造絹糸、略して人絹と呼ばれていた。また、これを適当な長さに切断してわた状のものをつくり、ステープルファイバー(略してスフ)の名称で呼んでいたが、戦後新しい繊維が次々に登場するようになってからは(家庭用品品質表示法に定められたこともあって)、レーヨンに統一され、現在に至っている。戦時中あるいは戦後の衣料事情の悪い時代に、人絹・スフという言葉は粗悪品の代名詞のように使われていたことがあったが、原材料に粗悪なものしか入手できなかった時代であったから、当時の人絹・スフの品質が甚だしく低下していたことは事実である。しかし、本来のレーヨンの品質はそんなに悪いものではないから現在も化学繊維の中で大量に生産され消費されている。
ポリノジックは頭にポリの字がついていることから合成繊維と間違えやすいが、純植物性の繊維である。ポリノジックは元々はレーヨンそのもので、改質レーヨンとか特殊レーヨンと呼ばれるものの1つであるが、その性能や将来性などから、品質表示法上特にポリノジックという名称の使用を許可されたものである
ポリノジックはレーヨンに比べて、優れた強度を持ち、特に特に湿潤状態での強さに優れており、シルケット加工を施すことも可能であるから、非常に木綿に似た繊維であるということができる。ポリノジックのほか特殊レーヨンの中には、タンパク質や合成繊維の原料であるアクリルなどを結合させたものもある。(したがってこれらは純粋な植物性繊維であるとは言い切れない)特殊レーヨンは混合する物質の種類や結合の仕方によって、性能や触感などに多少の差異があるものがつくられているが、その生産量はごく少量である。
キュプラはレーヨンよりも細く、丈夫で美しい艶を持っている。レーヨン・ポリノジック・キュプラ共、100%で使用されるほかに、他繊維と混紡・交織・交編されることが多い。その理由はこれら3つの繊維が吸湿性に冨み、価格も他に比べて割安であり、染色性が良いからである。しかし植物性繊維であるからシワになりやすく、収縮しやすい短所も持っており、綿や麻と同じように樹脂加工などの加工が施されて短所をカバーしている。
レーヨン・ポリノジック・キュプラは湿潤状態では相当強さが低下しているから、特に薄手のものなどは手荒なあつかいをしない方が賢明である。


2017/10/11

着物はっ水加工の歴史②(パールトーン加工)

「京染めのめでし色柄このわざに 百年(ももとせ)の後に残りけるかな」 創業者の宝物になった一首でした。

皆様こんにちは。前回に引き続きパールトーンタイムスリップ 今回は1949年です。

1949年(昭和24年)
昭和24年 パールトーンの効力の素晴らしさに感銘を受けた武雄市初代市長の奥様が詠まれた歌はパールトーンの宝物になりました。

現在のようにパールトーンの知名度もその効果を広める情報手段もなかった昭和24年、お客様の紹介状として創業社長が持ち歩いていたサイン帳があります。
パールトーンの歴史を物語るものとして、今まで大切に保管されてきたものです。その中にこんな一首が記されています。
「京染の めでし色柄 このわざに 百年の後に 残りけるかな」
作者は、当時佐賀県武雄町(現在の武雄市)で、昭和天皇が佐賀県へ御幸の折り泊まられた程の由緒ある旅館、春慶屋を経営されておられた中野敏雄氏夫人の猪佐子さん。先代がある方の紹介で中野さんを訪ね、パールトーンの説明をしたところ、その効力に感銘されて即座に詠まれたのがこの歌で、大切にしている京染の着物がパールトーンの技によって百年の後まで残りますね、という意味です。
ちなみに中野敏雄氏はのちに政治の世界に進まれ、武雄市の初代市長を務められた方です。この時代にしてパールトーンが人に感動を与える効力があったことを証明する貴重な資料で、先代はいつもこのサイン帳を持ち歩いて口伝えにその素晴らしさをアピールしていったのです。
すでにこの歌が詠まれて60年以上の歳月が過ぎておりますが、今でもこのサイン帳は会社に大切に保管されています。この歌はパールトーンの原点であり、常に心の片隅に置いておきたい宝物です。
百年という月日が過ぎようとも、パールトーンをすれば着物の美しさは変わらないという創業者が残してくれたかけがえのない宝物を、私たちは常に研究開発を重ね、社員が一丸となって、より多くの人に伝え、安心して着物を楽しんでいただけるよう努力をしていく所存です。

※画像は創業社長が宝物のようにいつも持ち歩いていたサイン帳。パールトーン加工のご注文を頂いた先のリストが紹介状として当時の営業に活躍しました。その中にこの一首が詠まれています。

2017/10/05

羊毛の性質

皆様こんにちは 繊維の種類とその性質 動物性繊維 その③ 羊毛の性質をアップします!

「毛」には多くの種類がある。羊の毛(ウール)、ラクダの毛、アルパカの毛、アンゴラ山羊の毛(モヘア)、カシミヤ山羊の毛、アンゴラ兎の毛、ビキューナの毛、更には馬の毛などであるが、主要なものは羊の毛=ウール(羊毛)である。
ウールには生後6カ月位の子羊から剪りとったラムウール、あるいは羊の種類によってメリノ、チエビオット、リンカーンなどの種類がある。顕微鏡で見れば、ウールの断面は円形をしているが、側面つまり表面にはうろこがあり、丁度毛の表面を瓦でふいたようにすっかり覆っているのを見ることができる。このうろこのことをスケールと呼んでいるが、スケールがあるために、ウールは熱、水等によって収縮する性質を持っている。ウールの防縮加工はこうした欠点をカバーするものであるが、どのような取扱いによっても収縮しないというものではなく、一定の条件下でなければ収縮のおそれがある。毛は軽くて暖かく、吸湿性にすぐれ、シワになりにくい反面、収縮しやすく、虫害を受け、プリーツは水によって消失するなどの特性を持っている。このため防縮加工、防虫加工、さらにはプリーツ加工等が施されている。プリーツ加工は比較的たやすくできるため、クリーニング業者がしていることもある。毛製品には、毛100%の製品も多いが、洗濯による収縮を防ぎ、補強を兼ねる意味からナイロン・ポリエステル・アクリルなどと混紡され、価格を下げるためにレーヨンなどとも混紡されたものもある。

パールトーン加工はビクーニャやカシミヤ等の製品にも多数実績があり、とても効果的です。是非羊毛製品にもお試しください。

パールトーンブランドサイト
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