おしらせ

2018/02/06

長田野工業団地アネックス京都三和への企業進出に係る調印式の件

弊社、株式会社パールトーンが以前より進めてきた事業計画の一環で、この度、長田野工業団地アネックス京都三和(正式名称:京都北部中核工業団地)への立地が決定し本日京都府庁において京都府、福知山市、及び京都府土地開発公社を交え、土地譲渡契約締結及び基本協定書締結を含む記者会見が開催されました。

内容は以下の通りとなります。

株式会社パールトーン ニュースリリース

長田野工業団地アネックス京都三和に用地取得

株式会社パールトーン(創業1929年)は繊維への撥水機能を付加する委託加工業として、その主力商品の「パールトーン加工(撥水加工)」を様々な業界に提供してまいりました。特に呉服業界の「着物」においては最もご愛顧をいただいております。今後も呉服業界との繋がりを維持し、京都の地場産業である呉服の陰の力であり続ける覚悟であります。

弊社は京都市内(右京区西院)に2つの工場(本社工場・三条工場)を稼働させておりますが、本社工場は売却し三条工場と統合を計画しております。その上で三条工場は新たに「着物専用工場」として生まれ変わり、これまで以上に呉服に特化した工場になります。そして、福知山工場では2つの事業を行う計画です。一つは着物以外の素材にパールトーン加工をする「新市場工場」としての事業。もう一つは「呉服の発展」と「技術の継承」を支える事業を行う拠点となります。

現在、新市場分野のパールトーン加工は、三条工場と本社工場に振り分けて対応しております。しかし新市場の商品は既にキャパオーバーとなっています。福知山工場が稼働すれば、新市場分野の商品をスピーディーに効率的に量産加工することが可能になります。また、福知山工場には現在開発中の撥水加工の新技術が設置される予定です。新技術では今まで施工が困難であった様々な生地へのパールトーン加工が可能になります。一例としてあげると「人工スエード」や「ベルベット生地」「ビロード生地」などがあります。

福知山工場は株式会社パールトーンとして新市場分野でのパールトーン加工を促進、そして呉服分野への加工業としての支援を実現する戦略的拠点となります。その計画の第一歩として今回の用地取得となりました。

<取得用地概要>
【用地名】
長田野工業団地アネックス京都三和
(京都北部中核工業団地)

【住所】
京都府福知山市三和町みわ小字エコートピア16番2

【用途】
繊維撥水加工 着物等呉服商品への特殊加工

【取得日】
2018年2月6日

【取得面積】
4,252㎡

以上

2018/01/29

着物はっ水加工の歴史⑨(パールトーン加工)

戦略発想のある京都の企業として注目される!

1992年(平成4年)

京都新聞社では京都の企業イメージ調査を実施。パールトーンは21世紀に向かい戦略発想のある企業として選ばれました。

千年の都・京都は、あまりにも長く歴史と伝統文化に依存してきた結果、きものはもちろん伝統産業がかなりの痛手をこうむっている状況です。歴史の重みに重鎮する一方で、今という時流を素直に見つめ、時代の変革にいち早く対応して活性化のための努力を続けなければ京都の産業の未来は開けません。
そこで、1991年9月京都新聞社では「企業イメージ調査91」を一般市民、地元大学生を合わせ、2000人を対象に実施しました。一店舗主義を貫く老舗からグローバルな活躍を見せる大企業まで。そして時代を見つめ常に活性化を継続し、21世紀に向かい戦略発想のある企業のいくつかかが浮き彫りにされました。京都新聞社では1992年は「京都の企業は今」で50社、1993年は「京都チャレンジ経営93」というタイトルで58社、京都で名実ともに注目されている企業を紹介しました。パールトーンがいずれにも紹介され、注目されたことは大変うれしいことでした。というのも京都の企業は何百年もの歴史のある企業がたくさんあります。その中で認知され、未来を感じる企業として選ばれたことは誇りを感じる出来事だったからです。
先代会長はよく「従流志不変」という言葉を口にしていました。時の流れには逆らわず、安心きものを広げるという志は決して変えないという意味です。相反する意味にも聞こえそうですが、どちらも経営には大切なスピリッツです。これを常に繰り返すことは簡単なようで実に難しいことなのですが・・・。
言葉で唱えるだけでなく、いかに具体的に実行するか、見ていないようで市民も学生もしっかりと企業の姿を見ていることに改めて緊張感を感じました。

2018/01/22

精練について

皆様 こんにちは
今回は精練についてアップします。呉服の製造工程で精練や練りという単語は良く耳にするのですが、実際どのようなものなのでしょうか?

① 白生地の精練
・精練法
生糸で織られた生地を石鹸―アルカリ溶液で処理して生糸のセリシンを落し、しなやかな白生地にする工程を精練(練り)と呼んでいる。
白生地は10m・12m・16m・24m・48mの長尺のものであるから、精練作業で精練浴槽に布を入れるため、何らかの形にたたまなければならない。一般に70cm~100cmにたたむが、長尺に多く利用する12mものを75cmにたたむと16枚重ねとなり、平均に精練するのはなかなか難しい。練むらと呼ばれる故障が起こるのは、こうして16枚重ねてたたんだまま精練後の水洗いをするときに生じる洗いむらによることが多いと思われる。

・漂白と蛍光漂白
精練の際には、精練浴へハイドロサルファイトを少量添加して漂白を行っている。一部では白度を上げるため、精練工程の中間に過酸化水素漂白を行うことがある。
蛍光増白剤で後処理すると白度は向上するが、生地ヤケが生じやすく、その上、地引染の際に染めムラを起こすことも多い。そのために軽めの裏地には蛍光増白処理がしてあるが、着尺用の生地には蛍光増白処理は行っていない。また、蛍光増白した生地は手描友禅には適していないといえるので、他に比べて異常に白いものは要注意である。

・幅出し
精練が終わると幅出し・物理仕上げをして出荷される。
白生地の幅は通常36cm~38cm またはそれ以上の幅に仕上げられている。しかし、一越や古代縮緬などの縮む縮緬は“中のし”と称して33cm またはその近くの幅に整えて出荷される場合がある。こうしたものは必ず下のしで所定幅に仕上げる必要がある。

② 白生地の精練残渣と染着性
精練浴には石鹸・アルカリ・界面活性剤・漂白剤・あるいはその他の薬剤が投入される。そのため精練浴で生地を煮沸加工している間に、薬剤の一部が絹に吸着したり、精練で脱落したセリシン蛋白も白生地の表面に付着する。こうした付着物はすべて染色性に影響を与える。
その主なものは次のようである。
・石鹸 ・再付着した蛋白質 ・アルカリ ・漂白剤
白生地を熱湯に浸すと、白生地から不純物が出て、白く濁りを生じるが、この汚濁物が精練残渣の中の石鹸と再付着した蛋白である。

・石鹸
0.5%~1.2%の石鹸が白生地上に残留している。生地のふっくらした柔軟性は吸着された石鹸による効果の一部である。石鹸はまた染料液の浸透性をよくするとともに、緩染作用による均染性を発揮する。したがって石鹸残留が多いほど染料の吸着が遅くなるので、刷毛ムラの心配が少なくなる。反対に石鹸分が少ないと、染料が表面に早く吸着するため、刷毛ムラが生じやすくなる。
石鹸の使用量は精練工場によって異なり、残留量も差があるので精練工場による染色性の違いを把握しておくことが大切である。

・蛋白質
白生地上の蛋白質残渣は、精練浴へ一度脱落したセリシンが再付着したものと考えられるが、染料をよく吸着する性質を持っている。
この蛋白質残渣は、水によって移動しやすいため、精練後部分的に乾いたところができると水と一緒に移動して蛋白質残渣が部分的に集中し、それが濃くなると染ムラとなる。また、一旦乾燥された後、部分的に水漏れを生じたり、生地を水に浸してやることで蛋白質残渣の移動ムラを生じ、染ムラとなる事例も多いので注意が必要である。
実例として以下のようなものがあります
1. 青花落し(散らし)での移動(本友禅・ゴム糸目)
2. 前処理(湯通し・地入れなど)による移動
3. しみ抜きなどによる部分洗い、つまみ洗い
4. 水滴の付着
5. 引染の下染として浸染する場合
6. 目引き
7. 失敗でやり直しのための脱色・水洗
8. 引染を繰り返し重ねる場合、途中で水洗を入れる
9. ピース・ダック・型置・蒸し後の水洗(後引染する)
以上の他にもいろいろな事例があると考えられるが、いずれも地染する前に水をくぐる工程を入れる場合注意する必要がある。

・他の残留物
繊維上にアルカリ分が多く残留していると、染料によっては発色性が変わるものがある。また、アルカリが多く残る場合は、繊耳に近い部分か耳端にそって1㎜~2㎜位の幅に変色部分ができたり、1円硬貨大の変色を生じる。こうした場合に蒸しをかけると繊維が弱ってその部分から破れてくることがあるので注意が必要となる。
漂白剤、特にハイドロサルファイトの残留は蒸熱時の地色変色の誘因となる可能性がある。また、金加工に使用される銀素材が硫化変色して黒変することもある。

③ 白生地の前処理
白生地上の精練残渣の影響防止策の一つは、適正な加工取扱いに徹するよう努力することが第一で、加工前にどうしても水に浸す工程を経なければならないときは、平均によく洗い、平均に絞って乾燥する必要がある。
また、積極的な防止策としては前処理・再錬が有効な手段となる。これは残渣移動ムラが生じやすい工程ではあるが、精練残渣を一番よく除去するにはこの方法に勝るものは無い。
反面、精練残渣が移動するような条件で処理ムラが生じると、それが直ちに染めムラとなる危険もある。しかし、前処理、再精練を適切かつ正確に行えば、前記のような精練残渣による各種の事故はある程度未然に防止できると言える。また、蛋白質残渣や石鹸分の減少によって、鮮やかな染着を示すようになり、処理効果も大きい。
しかし、石鹸分の減少によって白生地の染着力が増すため、刷毛ムラが出やすくなる。こうした場合は活性剤・アンモニア水などの均染剤の使用が効果的となる。

④ 白生地の経時変化
白生地の経時変化による染着不良は、一般に精練後6カ月以上経過したものに発生する。一部のものは2ヶ月くらいでも水をはじいて引染液が裏面へ通らないものがある。経時変化は精練残渣の空気中の酸性ガスによる変化や、油ヤケ、その他の減少が複合して起きるものと推察され、それによって次のような事故が生じる。
1. 水をはじくようになる
2. 引染で裏通りが悪い
3. 染色がいらつく(微少部分での染ムラ)
4. 発色がきたない
5. 生地上で染料が分離して、しぼ・織繊維の凹凸によって色が異なる。

経時変化事故については前処理、再精練で完全に防止しえるが、古い生地か新しい生地かをまず選別する必要がある。

2018/01/15

着物はっ水加工の歴史⑧(パールトーン加工)

着物業界初の保険「安心どすえ」スタート!

1991年(平成3年)

水害の中でも長い時を経てもパールトーンの効力は健在!そこへ「安心どすえ」という保険でさらなる安心感を追及しました。

パールトーンではよく加工済みの縮緬と加工されていない縮緬の端切れを用い、その効力を目で確かめる実演をしています。その効力はご覧になっての通りですが、一方では果たしてそれがどれくらい、あるいはどのくらいの耐久力で効力を発揮できるのか、という疑問を持つ方もいらしたのではないでしょうか。
しかし、パールトーンの効力にはこんなエピソードがあります。
鹿児島県で大水害があった時のことです。あるお客様のお宅が床上浸水の被害にあい2日間箪笥の中の着物は水に浸かりっぱなしでした。想いで深い着物を傷んだままにするのはたいへん悲しいことです。その後、そのお客様は着物の洗張りをされたそうですが、パールトーンされていたものは着物の表地をはもちろん、胴裏や八掛にしろ、本当に美しく甦ったそうです。残念ながらパールトーンされていなかったものはきれいに甦らせることはできなかったとのことです。
大水害ですから命があったでけでも大変ありがたいお話なのですが、大切な着物が甦ったことを喜んでいらしたお客様の声に改めてパールトーンの使命を実感できたエピソードでした。
平成3年11月1日、パールトーンきもの保険「安心どすえ」がスタートしました。着物は着て楽しんでこそ輝くものという発想のもと、パールトーンした着物や帯に、さらに安心感を持っていただくために新しい価値をつけたわけです。
「安心どすえ」の内容は加工済みの品に火災や盗難、破損事故、汚損事故があった場合保険対応も可能となるシステムです。天災への保障ではありませんが、不本意な出来事に少しでも安心度がプラスできたら、というパールトーンの願いが込められています。安心きものへの一歩となった出来事です。

2018/01/11

2018年成人式

新成人の皆様 おめでとうございます。

パールトーンHP管理人も近所の会場に成人式の様子を見に行かせていただいたのですが、皆様久々の再会もあるせいか、楽しそうで輝いておられました。希望に溢れられた新たな門出をお迎えされたことだと思います。

ただ残念だったのが、お天気があまり良くなく私がお伺いした会場は雨が降っており、そのせいで特に振袖の御嬢さん方は屋外に出にくくされている様子が見受けられました。
雨のせいで成人式後に行かれる場所も限定されてしまったのではないでしょうか?
どうしても弊社目線で見てしまうのですが、特に初めてお着物を着用される方もおられる中、安心してお着物を着ていただき、楽しんでいただきたいという思いを改めて感じました。

また、今回の成人式では某レンタル店のお着物が届かないというニュースも大きく報じられ、呉服関連のイメージそのものが悪化しているような感もございますが、できればこのような状況下ですが新成人の方々にも今回の成人式を通じ、和装に少しでも興味を持っていただければいいなと感じた次第です。

2018/01/05

明けましておめでとうございます。

弊社は本日より営業となります。
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
旧年中はひとかたならぬご愛顧にあずかり、誠にありがとうございました。
何卒、本年も昨年同様のご支援をよろしくお願い致します。

本年の繊研新聞掲載分、弊社社長 由本の年頭所感をアップさせていただきます。ご一読いただければ幸いです。

着物。この素晴らしい技術と文化を継承するために。
株式会社パールトーン 代表取締役社長 由本 敏次

新年、明けましておめでとうございます。
皆様にとって喜びの多い一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。
古都・京都での風景にも、近年では海外からの観光客がますます増え、
着物を着て京都の町を散策する姿をいたるところで目にするようになりました。
伝統文化である和装が世界的に認知されることは、
とても素晴らしいことだと言えます。
同時に、自然の中で育まれた糸や染料で構成されていた着物には、
そうした一つひとつの歴史や匠技を知ることによって初めて気づく価値があります。
着物のほんとうの魅力を知ってもらうには、
そうした文化の背景も伝えていくことが必要です。
しかしながら、現在は生産者の高齢化や後継者育成といった数々の問題により、
ほんものの技術を継承することさえ困難になりつつあります。
だからこそパールトーンでは、取引先さまとの勉強会を開催し、
悉皆や染め工場の見学、汚れ落とし体験などさまざまな機会を通じて、
着物を支える伝統技術の素晴らしさを広く理解してもらう努力を続けています。
また、若い世代や海外の人に目を向けるばかりでなく、
たんすのなかに着物を仕舞い込んでいる方々が、
もういちど袖を通すためのお手伝いも大切だと考えています。
このため、着物クリニックを通じたメンテナンスや染め替えに力を入れ、
着物をもっと身近にするパールトーン加工とあわせて積極的に紹介しています。
世代や国境を越えて、いかに着物文化を継承し、普及させていくかが、
これまで同様にパールトーンの大きな使命だと認識しているのです。
もちろん「はじく」「まもる」ための撥水技術で新市場を開拓し、
世界に向けた新たな取り組みを具現化していくことも予定しています。
こうした取り組みで和装市場をさらに活性化していくためにも、
皆様からの変わらぬご協力やご助力を、よろしくお願い致します。
平成30年 元旦

2017/12/28

2017年の営業は終了いたしました

拝啓
2017年も残すところあとわずかになりました。
皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

本年は格別のご愛顧を賜り、誠に有難く厚く御礼申し上げます。

来年もより一層のご支援を賜りますよう、従業員一同心よりお願い申し上げます。

敬具

2017/12/25

年末年始営業のご案内

拝啓 
年の瀬も押し詰まり、ご多用のことと存じ上げます。
さて、誠に勝手ながら、弊社の年末年始の営業は、下記のとおりとさせていただきます。
皆様にはご迷惑をお掛けしますが、何卒ご容赦願います。
今年一年ご愛顧を賜りまして大変感謝申し上げますと伴に、皆様のご多幸をお祈りいたします 。

敬 具


年内営業 12月28日(木)まで

年始営業 1月5日(金)9時~

2017/12/20

織の工程について

皆様 こんにちは
前回、糸までアップしましたが、糸のままでは生地になりませんので、今回織工程についてアップしてみたいと思います。

準備工程
織物は縦の方向に並んだ一組の糸(経糸)と、これに多くの場合直角に交差する一組の糸(緯糸)とからできている。この経糸と緯糸との組み合わせ方を織物の組成という。
織物は、この二組の組み合わせ方によって白生地などに製織されるわけであるが、その前に経糸と緯糸とを組成されるに都合の良い状態にする作業として製織の準備工程がある。
準備工程は二つに大別されて、
経糸の準備工程 ①下漬 ②糸繰 ③糊付 ④再繰 ⑤整経
緯糸の準備工程 ①選糸 ②下漬 ③糸繰 ④合糸 ⑤緯煮(キヌタキ) ⑥下管巻 ⑦撚糸 ⑧乾燥 ⑨上管巻
とがある。

1. 経糸の準備工程
・下漬(シタヅケ):生糸は最初に糸の捌きをよくし、繰返し易く、後の撚糸及び製織を容易にするため、糸繰にかける前に糸の下漬(ソーキング漬)がなされる。油系のものに漬け込むケースが多いようです。

・糸繰:糸繰とは糸を枷より枠に巻き取り、糊付、合糸を便利にする工程である。この作業が不完全な時は、糊付・合糸のとき糸がしばしば切れて作業が困難であるのみならず、製織能率を著しく下げることとなる。

・糊付:糸を枠に巻き取り、一本または数本を引き揃えて糊液の中を通して糊付けにする作業。

・再繰:糊付を済ませた糸を、再び小枠に繰り返す作業。

・製経:再繰しわ糸枠を所要の数だけ配列して、等しい張力で且つ同じ長さに揃えて整経機のドラムに巻き取り、これを何回も繰り返してドラムに巻き付けた糸数が織物の全布に要するだけの本数に達した後、さらにこれを千巻(ワープビーム)に巻き返す作業。

2. 緯糸の準備工程
・選糸:緯糸としての完全な撚糸を作るには、良好な糸を選ばなければならない。

・下漬:経糸の場合に準じて行うが、強撚をかける場合は多少油剤を多く、また加撚しやすい油を用いる。

・糸繰:糸繰とは枷になった糸を枠に巻き取り、次の工程を便利にする作業である。

・合糸:下漬けして小枠に糸繰りした糸を、さらに緯糸としての所要の太さにするため、何本かの糸に合わせる工程である。

・緯煮:緯煮は生糸にのみ行う工程で、その目的は生糸のセリシンを熱湯でやわらげ柔軟にして撚糸を容易にするとともに、加撚後糸を密着させ撚止めの効果をよくするためである。

・下管巻:緯煮した糸を木管またはエスロン製の管に巻いて、撚糸の準備をするための工程を言う。

・撚糸:緯糸の準備工程の中で最も重要な作業である。生糸はそのまま織物に織ることもあるが、多くは引き揃えて適当な太さ、強さとし、これに撚りをかけ、精練・染色・製織の工程を容易にして、且つ織物に所要の手触りと外見とを与える。このように糸に撚りを与えたものを撚糸といい、撚りとは並行している多数の繊維を一つに集めて捻ることである。また撚りには右撚と左撚があり、右撚は白またはS撚といい、左撚は
赤またはZ撚ともいう。撚数については、1メートルあたりの長さにおける撚糸回数で表示する。
撚糸機には八丁撚車と洋式撚糸機があり、八丁撚車は縮緬緯糸の撚糸機として最も理想的のものであって、錘は1分間八千回も回転し、一錘で左右二錘分の働きをする。洋式撚糸機にはイタリー式とリンダ式、フライヤー式等色々あるが、前二者が多く用いられる。
また撚の形態としては主なものに ①一本片撚糸 ②二本片撚糸 ③三本片撚糸 ④諸撚糸 ⑤片二本諸撚糸 ⑥三本諸撚糸 ⑦壁撚糸 ⑧スプリング撚 ⑨リング糸 ⑩ポーラー糸等がある。

・乾燥:糸の乾燥には自然乾燥と人工法による乾燥があり、熱風を循環させ、湿温空気を排出して乾燥する熱風乾燥機もある。これは糸の付着物の変質もなく、乾燥も早く、現在最も使用されている乾燥法である。

・上管巻:緯糸を上管に巻いて製織のできるようにする工程

製織工程
経糸と緯糸の準備工程が終わり、いよいよ手織機または力織機を使っての製織の段階に移る。
力織機で織物を織るには、ハンドルをかけさえすればいいというものではない。
まず、機械の摩擦する箇所に油差を行い、経糸・緯糸の検査を行ってから、抒打の状態を調整し、それから運転を開始しなければならない。
製織の前準備工程としては ①機上 ②綜絖通し ③筬通し ④織付 ⑤経継などがある。
織幅分に揃えた経糸を機台上に張って、これに緯糸を直交差させて織物を作る機械を織機、これを操作することを製織、昔ながらの言い方では機織(ハタオリ)と称する。人力で操作する手織機に対して、動力による力織機(織機ともいう)があり、いずれもその原理は同じで、古くから素材や織物の種類によって相応しい構造になっている。
織機を分類すると、素材別では絹人絹と綿及び毛、織幅別では小幅と広幅、緯糸の通し入れ方法によって様々な呼び名で分けられる。
絹織物は特に地風が重視されるので、絹用の織機は奥行きを深くした構造となっており、また製織もそれなりの装置を特色のある技法で操作されている。
織機ほど一つの原動力が細分化されて連動しているものは他に類型がないと言われ、互いに密接な時間関係を保って連動している。その運動は、主運動、副運動、補助運動に大別される。
主運動は織るための基本となるもので、開口(カイコウ)・緯入れ(ヨコイレ)・筬打ち(サオウチ 緯打ち)の3運動を指す。
副運動は主運動で織られるにしたがって、経糸を給糸する送り出し運動と、織られた分を巻き取って製織を続ける巻き取り運動を指す。
補助運動とは、主・副運動を補助して織機の動きを一層完全にさせるためのもので、全ての織機がその機能を備えているとは限らない。
手機によれば、経糸の打ち込みが定常的ではなくて、手加減が可能なために地合いを好みのままに生かして特色ある風合いを醸し出せる。また、金銀箔とか特殊な緯糸を自由自在に使えるのも手機の特徴である。大げさに言えば、手機は織り手の気に入るように織りなす つまり魂を打ち込んで織ることができる。
つまり綴錦の機装置や織り方が今日でも素朴で原始的なままであるのはクラフト的な手法によるしかないことに帰結する。織機の省力化、高速化が優先されて、全てが自動化されたとはいえ、手機ならではの存在価値を保っているわけがここである。

※画像は丹後ちりめん製造の柴田織物さんより使用させていただきました。縫取ちりめんの普及のため日々新しいことに挑戦されておられます。

関連項目
糸についていろいろ
http://www.pearltone.com/whatsnew/whatsnew.cgi?mode=detail&whatsnew_id=59

お蚕さんの繭が生糸になるまで
http://www.pearltone.com/whatsnew/whatsnew.cgi?mode=detail&whatsnew_id=56


2017/12/18

着物はっ水加工の歴史⑦(パールトーン加工)

もしもキモノに心があったなら

皆様 こんにちは パールトーンタイムスリップ第七弾は1985年です。

1985年(昭和60年)
1985年秋。1000万反もの着物が生み出されているにも拘らずタンスの中に消えていく現実を詩にして紹介しました。

昭和60年当時にはパールトーンの活動内容を紹介した「パールトーンニュース」という紙面を配布しておりました。
当時の絹の白生地の生産は約1082万反。オイルショック前の昭和47年~48年は約3000万反の生産量があったというから、当時にしてピーク時の3分の1になってしまったことになります。それでも1000万反もの着物が年間に生まれているわけですが、いったいその着物たちはどこへいってしまったのか・・・。
以前と比べると着物姿を街で見かけることが少なくなり、買った着物がタンスの肥やしになりつつある現状を見て先代は次のような詩を作り、当時の考えを主張しています。

「もしもキモノに心があったなら」

もしも、キモノに心があったなら

白生地として、この世に生まれてきて

きれいな柄に染めあげられた時にとても喜んだでしょう。

そして、沢山の仲間の中から選び出されて問屋さんから小売屋さんへと、

仕入れられた時にもやっぱり喜んだでしょう。

小売屋さんでは、ショーウィンドーに飾られ

見る人誰もから「きれいだネ」と褒められた時は

ちょっと気恥ずかしいながらも決して悪い気はしていなかったでしょう。

そして、いよいよお客さんに気に入られ、

買ってもらいキモノに仕立て上げられた時には

「あア これでやっと着てもらえる、この世に生まれてきた甲斐があった」と

最高に喜んだことでしょう。

しかしこの世はそんなに甘くないのか、

何かおかしいのか、一向に袖も通されないまま、

畳う紙に包まれてタンスの中に仕舞われっぱなし。

もしも、キモノに、心があったなら

これまでの喜びは何処へやら、夜な夜な悲しみの涙を流すでしょう。

キモノが流した涙は、やがてシミやカビになって出てくるのです。

皆さん、そんなにキモノを悲しませないでください。

せっかく着ようと思って買ったキモノでしょう。

もっともっと着てやって下さい。ヨロシク オネガイ イタシマス

パールトーンブランドサイト
PAGE TOP