おしらせ

2018/09/19

無地染めについて②NEW

無地染めの実際 引染 その2

皆様こんにちは
前回に引き続き引染で、今回は黒系の引染についてアップします。

黒引染(三度黒)
黒地色の引染は、古くより各種の方法で染められていましが、、現在三度黒と呼ばれているのは、黒色用植物染料(ログウッド)を重金属により不溶化固着して、生地に堅牢な黒色を染色する方法で、蒸しなどの染着工程を必要としません。染料と固着剤を3回引染して黒色となるので一般に「三度黒」と呼ばれます。ただし、この三度黒による引染は使用する重クロム酸カリ中の6価クロムが有毒であるので現在このままの染法を行う工場はほぼないかもしれません。

1. 三度黒引染の工程
① 端縫:身頃、衿、衽、袖等を一連のものにするために絵羽縫を解き、手縫いやミシンによって継ぎ合わせます
② 伸子張り:端縫いされた生地の両端を張り木で止め、生地がしわにならないように伸子を張る作業となります。
③ 地入れ:色引染と同様ですが、ふのり液で行います。模様際は特に念入りに行い、生地の裏面も十分に刷毛摺りします。地入液の濃度は、模様場の糸目糊・伏糊の種類や性質等によって代える必要がございます。
④ ログウッド引染:ログウッド液を生地表から刷毛引きして、裏を返し再度表を十分に刷毛引きします。乾燥はできるだけ早く十分に行う必要がございます。
⑤ ノアール引染:ログウッドに数々の媒染剤を加えて加工したログウッド還元液で、刷毛引きします。乾燥はログウッドと同じです。
⑥ 重クロム酸引染:ログウッドの酸化発色のために用います。刷毛引き・乾燥は前2回と同じですが、重クロム酸の濃度が淡い場合は赤味黒に発色し、濃い場合は後から生地に脆化のおそれが生じます。
⑦ 水洗:三度黒は不溶性染料のため、伏糊や紋糊を洗い流すだけでなく、生地に付着している染料かすを十分に洗い流しておく必要がある。白い下着を重ねて着用する場合が多いから、摩擦による色落ちには十分気を付け、豊富な水で長時間洗い流すことが大切です。
⑧ 刷毛刷り:水洗した後、再度張り木・伸子で引っ張り乾燥させます。硬刷毛により生地の表面の表裏を十分刷毛摺りし、染料や不純物を取り除くと同時に、生地に光沢を与える。

2. 黒引染のぼかし
一般に「足つけ」といって、ぼかし足を染料のブラック液で先につけておくのが普通です。

3. 使用染料・助剤
① ログウッド:植物染料の一種でメキシコや中南米に生育するヘマトキシロン樹の幹から抽出物を原料としています。この中の主成分であるヘマチンは重金属と結合して不溶性レーキ(有機顔料)となります。
② ノアールナフトール:ログウッドに酢酸・シュウ酸と重クロム酸カリ・クロム明ばん・木酢酸鉄の媒染剤に酸性亜硫酸ソーダ等を適量加えて加工し、ヘマチンと金属の結合を抑制し、安定化した暗緑色のログウッド還元液です。これを酸化すれば黒色不溶化レーキとなります。
③ 重クロム酸:重クロム酸は、ログウッドの中のヘマチンと最もよく結合します。この結合には酸化作用も必要なために重クロム酸カリを主としています。


ブラック引染法
1. トロ引き
直接染料を用いる方法で引染染料液に糊料を多く入れて粘度を持たせて刷毛引きし、引染後、直ちに濡れ蒸しする方法を名古屋ではトロ引きと呼んでおり、京都でも染められています。
① 準備
通常の引染のように張り木にて生地を張り、伸子をかう。地入れは引染部分には施さず、模様防染部分の裏面には、ふのりでよく地入れを行います。

② 染料液
水1Lに染料を140g~150gの割合で熱湯にて溶かします。その液中に2.5~3%の精米糊粉・CMC等を加えて調整します。

③ 引染
引染工場の湿度を70%に調整し、2~3人が同時に1反の生地を手分けして引染します。表・裏ともによく撫で返します。引染が終わったら直ちに伸子をはずし、挽粉を生地の表裏共にまんべんなく振り掛けます。

④ 蒸熱
挽粉を掛けた生地は吊り枠の針に掛けて千鳥状に順次吊り下げる。低圧蒸気で25~40分間蒸熱します。

⑤ 水洗
大量の水や流水で直ちに洗い、余剰の染料糊分を除きます。同時に友禅の防染のりも落とします。

2. 酸性染料による引染
黒色酸性染料による引染は加賀友禅では早くから用いられています。色引染に準じて引染してから乾燥し、蒸熱、水洗で終わります。


2018/09/12

広告掲載していただきました【和装教育通信】

パールトーンでは以前より中学校に和装教育の実現を目指す特定非営利活動法人 和装教育国民推進会議を応援しています。

今回そちらの発行物の和装教育通信第14号が届き、弊社広告もご掲載いただきましたのでアップさせていただきます。

平成29年度は「ゆかたの着方など服学習が編纂」された新教科書が中学に行き渡り6年目になるらしく、来春にはこの教科書で学んだ若者たちが成人を迎えるとのことで、今後も息の長い活動が必要だと思われます。

活動内容等詳細はウェブサイトをご確認下さい!


詳細:http://wasoukyouiku.jp/

2018/08/27

無地染めについて①

皆様こんにちは
今回から2回に分けて無地染めについて記載します。私も見学しにお伺いしたことがございますが、均一に色をのせていくのはやはり職人の技ですよね。

引染とは
刷毛を用いて染色する仕方をいいます。この引染法は古くから行われていたもので、壺染(浸染の古称)に対して、岡染や岡デカシと呼ばれておりました。現在では、この染法で無地染をすることはほとんどなく、主として防染糊を施した模様染、すなわち地色染として行われております。友禅染の工程中最も面積の広い地色を染めるので、少しの難点も目立ちやすく、そのためにも優秀な技術と長年の経験とが必要とされます。
大きく分けると色引染と黒引染に分けられます。

1. 色引染
a. 色引染の工程
① 端縫:身頃、衿、衽、袖等を一連のものにするために絵羽縫を解き、手縫いやミシンによって継ぎ合わせます

② 伸子張り:端縫いされた生地の両端を張り木で止め、生地がしわにならないように伸子を張る作業となります。

③ 地入れ:引染は浸染のように高温、長時間の染色を行わないので、染料の繊維に対する吸着力が十分ではございません。ですので地入れにはそれを補う目的と染料液が防染糊で伏せられた部分の生地に侵入しないする目的、そして染料液の移動を防ぐ目的があります。豆乳とふのり液の混合したものを刷毛引きします。これによって染料の染着力が増し、むら染を防ぎ、防染効果が良くなります。浸透の悪い場合はロード油等を用います。

④ 色合せ:引染工程の中で最も重要な作業で、所定の染料液(主として酸性染料)を調合する作業です。染色する反数に応じた水に主調となる染料溶液を少しづつ加え、よく撹拌する。泡の色が染色すべき色になれば生地の端に染液を付けて試験蒸し(約三分間)をして所定の色相と濃度になるまで調合します。

⑤ 引染(染色):引染工程における主要な部分を占める作業である。色合わせによって調合された染料液を刷毛に含ませて引くことによって生地に着色する作業で、均一に且つ速やかに染色する必要があります。

⑥ 蒸し:常温での引染では、繊維内部まで染料分子の吸着が不十分なため、乾燥した生地を蒸し箱に入れ湿りを戻してから蒸気(約102℃)にあてることによって、染料の繊維内部への染着を促進させるための工程です。

⑦ 水洗:蒸しをした後、水槽に生地を浸け、防染糊を落とす作業です。糊が生地に打ち合うと色むらが表れたりするので、流水で洗ったり生地が水槽の底に沈まないように浸けます。最後に糊が生地に残らないように気を付け、別の水槽で十分にすすぎ、脱水機で脱水します。

⑧ 乾燥:脱水された生地は、直射日光を避けて乾燥させます。自然乾燥が一番いいです。火力・温風乾燥では風合いが少々硬くなります。

⑨ 難繰(検反):引染工程における最終作業です。染めむらやシミがないかを調べながら巻き取ります。

b. 色引染の染料
使用される染料としては、主として直接染料・酸性染料が使われます。どれを使用するにしても次の条件が重要となります。
・水によく溶けて冷液でも沈殿しないもの
・染足のあまり早くないもの
・蒸熱で変色しないもの
・堅牢度が良く、脱色できるもの

c. 色引染の種類
① 地色引染:染料液を引染刷毛(5寸刷毛)に適当に含ませ速やかに均一に引くことが大切です。刷毛むらを防止するためには均染剤と染料液に添加して引染します。

② ぼかし染:ぼかし染には数々の染め方がございます。ぼかしを入れるには、普通に引染をして、ぼかす印のところで霧吹きをして濡れた個所と乾いた箇所の境をぼかします。その後染料液の付いていない刷毛でこすり、ぼかし際を丁寧に仕上げます。

③ ローケツの引染:ロー描きの亀裂部分に染料を浸透させる場合は、地入液と染料液にロード油を少し多い目に加えます。ふのりは少し控えめにし、乾燥には火を用いてはいけません。


次回その②では黒系引染をアップする予定です!


2018/08/22

本社工場きもの部門を三条工場に統合しました。

皆様
いつもお世話になっております。
前回の夏季休業のご案内でもお伝えさせていただきました通り、夏季休業期間に西大路五条の本社工場のきもの部門を西大路三条西のパールトーン三条工場に統合させていただき、20日より営業させていただいております。
これまで本社店頭にお越しいただいていたお客様等には大変ご迷惑をおかけしますが何卒ご協力の程宜しくお願い致します。

パールトーン三条工場は三条通に面しており、島津製作所さんの向かいで、右京税務署さんの西隣となります。

京都市右京区西院春栄町2-1 075-312-1137

社員一同 心機一転頑張りますので今後ともよろしくお願い致します。

詳細:http://www.pearltone.com/about/index.html#plofile

2018/08/07

夏季休業及び本社工場統合のおしらせ

誠に勝手ながら以下の期間、休業とさせていただきます。

2018年8月11日(土)~2018年8月19日(日)

お客様にはご迷惑をおかけしますが、何卒ご了承下さいますようお願い申し上げます。

なお、上記期間中に本社工場のきもの部門を三条工場に統合し、お休み明けの8月20日より三条工場をきものの工場として稼働となります。
特に店頭にお越しいただいていたお客様には色々とご不便、ご迷惑をおかけすることがあるかと存じますが、何卒ご容赦の程宜しくお願い致します。

ご連絡先につきましてもお手数をおかけしますが20日以降は三条工場となります。

株式会社パールトーン 三条工場
京都市右京区西院春栄町2-1
TEL 075-312-1137(代表)
FAX 075-312-1770

2018/08/06

京のゆかたまつりに参加しました!

あいかわらず暑い日が続きますね。

先週、ホテルグランヴィア京都で行われた「京のゆかたまつり」に参加してきました。

やっぱり夏のゆかたはいいですね(^^)

2018/07/30

取次店様向け 「パールトーン通信」発行しました!

皆さん こんにちは
今から25年程度前に「パールトーン通信」という取次店様向け情報小冊子を年四回発行していたのですが、今回新たに復活することとなりました。

取次店様向け情報となるので、全てをこのWEB上で公開するわけにはいかないのですが、弊社社内系情報につきましては抜粋して掲載させていただきます。

今回は「ゆかたの季節ですね!」というお題目での抜粋情報をアップさせていただきます。

昨年の弊社仕立部のミッション実現のお話です!

2018/07/25

9月5日(水)「きものサミットin京都2018」開催!

平成最後となるきものサミットが9月5日(水)ホテルグランヴィア京都で4年ぶりに開催されます。
16回目となる今回は「旧態依然とした商慣習の改善」がメインテーマとなるようです。

また、「きもの文化」をユネスコ無形文化遺産登録に向けた取り組みや、成人式、きものの日の取り組みも検討する有意義なサミットとして注目されています!


2018/07/23

着物はっ水加工の歴史 ラスト(パールトーン加工)

17回続いたシリーズもこの回でラストとなります!

「パールトーンハイグレード」が京都産業技術振興財団より京都中小企業技術大賞 優秀技術賞受賞!

1998年(平成10年)

研究開発のなかで生まれた「パールトーンハイグレード」は業界内外から高く評価され新しい活路の発見となりました。

創業者、國松勇はその技術に甘んじることなく、安心加工をめざし、常に次なるステップに向かい研究開発を進めてきました。その心は今もなおパールトーンに生き続けています。

天然繊維の風合いを全く損なうことなく、高い撥水効果を発揮して美しさを守る
それがパールトーンの大原則です。

しかし、ここでいささか課題だったのが高い温度への対応でした。

単純に高温での撥水効果を高めるだけならこれまでの技術でも十分可能です。しかし、そうなると天然繊維の風合いが損なわれる可能性が出てくるわけです。
たとえ、沸かしたてのお茶やコーヒー(80℃)くらいのものがデリケートな天然繊維にかかっても撥水効果を十分発揮し、しかも風合いもそのままというポリシーを徹底して貫いたのが「パールトーンハイグレード」という技術です。

パールトーンではこれまでも人体に優しい防カビ技術、繊維の復元力を高める防シワ技術、フロンやアルデヒドの削減をはじめとする環境対策技術と研究開発を進めてきましたが、パールトーンハイグレードはこうした研究過程の中で生まれた新技術でした。

この技術は業界の内外から高く評価され、京都産業技術振興財団が主催する1998年度の「京都中小企業技術大賞」の優秀技術賞に選ばれました。

より強く、よりデリケートに、より多くの人に安心をお届けするパールトーンハイグレードの開発が認められたことは大変誇りあること。

さらなる研究開発への意欲を燃やすステップとなりました。

2018/07/18

染色の種類 絞り染・中形

皆様こんにちは
今回は染色の種類ラストとなります。「天保の改革」で木綿藍一色が江戸町人に広がったんですね。

1. 絞り染
古くは正倉院御物などにその技法はみられます。室町時代絞り染、型染を併用した「辻が花染」が生まれ、以後友禅染の中にその手法が入れられ慶長模様・寛文模様等に鹿の子絞りの高度な技法が駆使されています。
現代の絞りを技法的に分類しますと・・・

① 摘み絞り(つまみしぼり)
鹿の子絞り・匹田絞り・三浦絞り・くも絞り 等

② 縫じめ絞り
縫絞り・柳絞り 等

③ 板じめ絞り
桶絞り

④ その他
箱絞り・嵐絞り(手筋絞り)

等があり、その手法としては100種におよぶと言われています。

2. 中形
本来小紋・大紋に対する中形文様ということで、素肌に着る木綿藍染の単衣のことです。現在では浴衣と中形が混同されていますが、本来浴衣とは異なるものとなります。
中形の歴史は江戸後期「天保の改革」で庶民に絹糸使用を禁じたため、真岡木綿による中形染が技術的に精巧になり、デザインも洗練されて藍一色が江戸町人の生活に広まったといわれています。
染めの技法から中形は次の四つに分けられます。

① 長板中形
江戸中形ともいいます。長板を用いた一般の捺染と同じ技法による本藍染となります。

② 折付注染中形(折付中形・手拭中形・注染中形・阪中)
中形2反分を手拭の長さ(1m位)に折りたたみながら形付をし、上部から染料を注いで染めあげます。

③ 籠付中形
明治時代に開発された中形の型付法。

④ プリント中形
型紙を用いない機械プリントによる中形で色使いの上から、地白中形・地染中形・細川染(濃淡二度染)・差分け(一部に地色と異なった色をいれたもの)などに分けられます。


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